少し前のお話しです。

その日も僕はお店の外観で楽しく育ててる植物達にお水をあげてた。

最近は調子に乗って花だけじゃなく苺や茄子も育ててる(笑)

するとお店の向にあるダストボックスにゴミを捨てに来た近所の女性の方が綺麗に咲いた花を見てニコニコしながら声をかけてくれたんです。

『綺麗に咲いてるね～』

「おはようございます。」

『このグラジオラスはお兄さんが咲かせたの？』

「はい初心者なんですけど姪っ子と一緒に始めて毎日お世話をしてるうちに愛着が涌いちゃって」

『素敵じゃない～』

「ありがとうごさいます。」

そう返事を返したその時、自転車に乗って制服を着た学生さん３人が会話をしている僕達の前をゆっくり通った。

会話中だったけどその女性も僕も習慣が付いてるのか自然に『おはようございます』の言葉が出た。

『んっ？』

しかし自転車に乗った学生さん達には返事は無くそんな感じで通り過ぎて少し先で会話が聞こえた。

『誰なん？』『知り合い？』

その会話が聞こえた僕は思わず笑ってしまった。

『何だか寂しいね～』

しかし話しをしていた女性の方は悲しい表情でそう言った。

「多分、今、学生さん達はテスト期間中なんですよ！」

悲しい顔をしながら言ったそんな一言に何故か僕は意味不明なフォローをしてしまった。

「ほら、今は特に学校とかでもマスク着用だし会話とかもあまり良くないって教育されてるんですよ」

『そうなの～？』

「多分…」

『それでも最近の若い子達は特に女の子、携帯電話や自分の顔ばっかり鏡で見て話してる相手の顔すら見ようとしないじゃない。』

「そうなんですか....」

『そうよ、今だってこんなに綺麗にお花が咲いてるのにお花の名前すら知らないんじゃない？それにも気が付かなし見ようともしないじゃない。私達が若い頃はそんな些細な事から挨拶が始まって…』

普段から溜まってたストレスを吐き出す様にずっと話す女性。

普段からカウンター越しにお客さんの自慢話や愚痴や毒吐きを聞くのも仕事のカテゴリーだと思う僕。

自分が咲かせたお花を褒めて下さったのは嬉しい。

だからこう言う時は調子よく相手に話を合わせて「そうですよね～」って言えばいいだけなのに。

「今はメールやチャットやパソコンで会話をする時代だからそう言うのに馴染んでないんですよ」

『！！！』

最後まで話を聞いた後に僕はそう言ってしまった。

少し不機嫌そうに僕の顔を見る女性。

「でも、こんな考え方って可笑しいですかね。」

『何？』

「今の世代は挨拶でも綺麗や可愛いって思う感情でも心ではちゃんと思ってるけど言葉には出さないだけ」

『！！！』

「そう思った方が嬉しくなるじゃないですか」

自分よりずっと年上の方なのに僕は生意気に偉そうな事を言った。

『お兄さん偉いな～所でお店のメニューって何があるの？』

思ってた事を全部話せてスッキリしてくれたのかな？最初に話しかけてくれた時と同じ様にニコニコしながらそう言って時々お店にも来てくれる様になりました。

『可愛い～』「綺麗に咲いてますね～」

僕はその女性の方には言わなかったけどお花を育てる様になってから通りすがりにゆとり世代やミレニアル世代の女性達にも優しい言葉を何度か貰った事はありますよ。

焼け跡世代、団塊世代、しらけ世代、バブル世代、氷河期世代、プレッシャー世代、ゆとり世代、ミレニアル世代、Z世代、そして次に訪れるα世代、調べて見たら色々あるけど世代って町並みや風景や環境や教育が変わる事で価値観も考え方も変わるんですよね。

僕は何世代かな？(笑)あっ、今ならお店では南国のアサガオ、ハイビスカスが見れるかも！尚、明日、明後日はお店はお休みしますのでお間違いの無いようにお願いします。